[L101-HS06]
授 業 期 間 2022年度 後期 授 業 対 象 指定なし 水1or水2or木1or木2
科  目  名
経済のしくみB
(Economics B)
科 目 責 任 者 赤澤 とし子 単  位  数 2単位
担  当  者 赤澤 とし子
授 業 の 目 的

現代社会のさまざな出来事、私たちが直面するさまざまな問題を経済との関係から捉え考える―経済学的な視点からものごとを見る眼を養う―ことを目的とする。本講義では、健康・医療の問題を取り上げる。私たちにとって自分の健康、家族の健康、「健康」は大きな関心事であり、その健康や生命に直結するのが「保健・医療」である。しかし、健康の問題は「保健・医療」だけで解決するものではなく、働き方や職場環境、居住環境、地域などさまざまな私たちを取り巻く社会経済的要因が関係してくる。健康寿命を伸ばし、誰もが必要なときに適切な医療が受けられるようにするにはどうすればよいのだろうか。日本の健康・医療の分野の問題点はどこにあって、それをどう解決していけばよいのか、超高齢社会のわが国における医療のあり方を経済学の視点からも考察し、自分なりの意見を述べられるようになることを目指す。

教 育 内 容

医療(ヘルスケア)サービスは、通常の財・サービスとは違った特性をもっており、市場メカニズムだけに任せておいたのでは問題が生じるため、そこには政府の様々な規制が存在している。医療サービスの持つ特性を踏まえ、医療制度のあり方を効率性と公平性の観点から考えていく。需要サイドと供給サイド、両者を結びつける医療サービスの供給体制や医療保険の基礎理論について学び、現代日本の医療が抱える問題点を明らかにし、その解決策を探る。これからの日本の望ましい医療のあり方を考える。

教 育 方 法

授業はオンラインで行い、講義形式を基本とする。

テキストは使用せず、毎回、講義資料と課題をMoodleに掲載する。

ここで取り上げる健康・医療問題に関し、「今、何が問題で、その問題にどう向き合い、どのような解決策を見出していくか」を常に問うていきたい。提出されたリアクション・ペーパーや課題に対しては、主要な意見や特徴的な興味深い見解の紹介、誤解のある点にコメントするなど講評を行う。

質疑応答はMoodle上やメールにて行う。ディスカッションの場も設けるので、積極的に参加してもらい、意見交換をしていきたい。

準 備 学 習
(予習・復習)

予習:医療や健康問題、講義で取り上げるテーマに関連するニュース等に目を配り、問題意識を持って自ら調べてみること。
復習:講義内容をノートにまとめ、問題点や課題、対策などについて、自ら検討してみること。

【予習・復習や試験に備えた学習時間を含め授業時間以外に必要な学習の総時間は60時間】

担当者 項目 授業内容
1 赤澤
【オンライン】

イントロダクション

講義の概要説明:医療(健康)経済の全体像

講義の進め方や受講上の注意事項を説明する。

2

医療サービスの特性①

サービス一般の持つ特性から医療サービスの問題を考える。

3

医療サービスの特性②

不確実性、情報の非対称性、外部性など、医療サービスの持つ特性から医療問題を考える。

4

医療サービスの提供体制①

外来医療の機能分化、大病院外来の患者の集中問題とその対応策、価格メカニズム以外の資源配分の方法について

5

医療サービスの提供体制②

医療サービス提供体制の課題(病床機能の分化・連携、医療と介護の連携、地域医療構想など)

6

医療サービスの提供体制③

医師・看護師等医療従事者の人材確保について(医師不足・偏在是正に向けての対策、医師の働き方改革など)

7

医療保険①

保険とは。医療保険の基礎理論(公的医療保険はなぜ必要なのか)

8

医療保険②

医療保険の基礎理論(医療保険とモラル・ハザードについて)

9

医療保険③

公的医療保険の給付の範囲、混合診療問題をめぐる議論

10

医療費

国民医療費の動向と国民医療費の構造、予防医療と医療費(予防医療は医療費を削減できるか)、終末期医療(人生の最終段階における医療)と医療費。

11

医療サービスの経済評価(費用対効果評価)

医療サービスの経済評価とは。経済評価が求められるようになった背景と分析・評価方法の解説。費用対効果評価の海外での活用状況を概観しながら、問題点や課題を考える。

12

医薬品に関する話題・諸問題

高額医薬品の登場、ポリファーマシー、かかりつけ薬局・薬剤師などについて

13

健康格差

所得格差と健康格差
健康の社会的決定要因、社会経済的因子と健康の関係は。健康格差対策について考える。

14

行動経済学の保健・医療分野への活用

行動経済学とは。ナッジとは。行動経済学の基本的な考え方、枠組みを解説するとともに、行動経済学におけるナッジ理論がどのように健康活動に利用されているか事例をみながら、医療現場への応用、課題を考える。

15

総括

講義を振り返る。質疑応答。

到 達 目 標

保健・医療サービスの特性を理解し、公的介入の意義や課題を説明できるようになる。取り上げた健康・医療の諸問題や対応策について自分なりの意見を述べることができるようになる。さまざまな社会問題、身近な社会の出来事を経済の側面(経済学的視点)からも捉え考えることができるようになる。

成 績 評 価 の
方 法 と 基 準

試験方法:レポート    実施時期:

各回の課題やリアクション・ペーパー(50%)と期末レポート試験(50%)によって評価する。

学 生 へ の
メ ッ セ ー ジ
(その他注意等)

新型コロナウイルス感染症によって、必要なときに適切な医療サービスが受けられるかなど、医療の問題がこれまで以上に切実な問題であることを痛感する今日この頃です。経済学の視点からのアプローチは、健康・医療問題の把握や制度のあり方を検討するのに役立つはずです。「経済学の眼」で見てみると、これまで気づかなかった保健・医療の一面が見えてくるかもしれません。

受講にあたってのより詳細な注意事項等は初回のガイダンスの際にお伝えします。

教科書・参考書 書 名 著 者 名 出 版 社 名 定 価(円)
教科書

教科書は使用せず、講義資料を配布する。

参考書

参考書は講義の中で適宜紹介する。