授 業 期 間 | 2022年度 前期 | 授 業 対 象 | 指定なし 水1or水2 |
科 目 名 |
文化人類学A
(「当たり前」のことの相対化、そして再認識へ。)
(Cultural Anthropology A)
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科 目 責 任 者 | 宮下 克也 | 単 位 数 | 2単位 |
担 当 者 | 宮下 克也 |
授 業 の 目 的 |
「人類学は人間に向かって大きな鏡を差し出し、無限の変化を示す己の姿をそこに見てとらせる」〜クライド・クラックホーン〜 |
教 育 内 容 |
私たちは、自分の育った社会の文化的価値観を自然と身につけ、それを基準に異文化をみてしまう。本講義では、こうした人間に潜む自文化中心的思考を自覚することから始まり、それを批判しつつ異文化の多様な価値観を考察することを目指す。また、異文化を知ることで、自文化において「常識=当たり前」とされていることを相対化し再検討してみたい。 |
教 育 方 法 |
・講義形式 ・映像や音楽を必要に応じて用いる。 |
準 備 学 習 (予習・復習) |
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】 予習:シラバスを読み、気になるキワードなどをインターネットや図書館など調べること(1時間)。 復習:レジュメを見直し、講義の内容に関して、インターネットや図書館などを利用し深い理解を目指し自分の考えをレジュメの余白部分にまとめておくこと(3時間)。 |
回 | 担当者 | 項目 | 授業内容 |
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1 | 宮下 【オンライン】 |
「私」と「あなた」の違い-他者理解への第一歩- |
「差異」をキーワードに他者の存在を考える。 |
2 | 〃 |
文化とは? |
学説史を通して文化人類学者の「文化」に対する考えを紹介する。 |
3 | 〃 |
ジェンダー |
「僕たち」/「私たち」は、生まれながらにして「男である」/「女である」のか? それとも後天的に「男になる」/「女になる」のか? |
4 | 〃 |
通過儀礼-社会的に「大人」になる方法- |
年齢を重ね身体が成長すれば自然に「大人」になれるのだろうか? 社会のなかで「大人になる」ということは、いかなることなのか? |
5 | 〃 |
ケガレ論 |
「秩序」・「境界」・「認識」をキーワードに社会におけるケガレを考える。 |
6 | 〃 |
交換論-社会・人間関係をみる方法- |
お歳暮やクリスマスプレゼントが果たす社会的機能とは? 多様な交換形態を紹介し、交換論から社会関係や人間関係の分析を試みる。 |
7 | 〃 |
宗教と世界観 |
宗教や世界観から社会を分析する。 |
8 | 〃 |
前半のまとめ |
これまでの流れの総復習 |
9 | 〃 |
身体と知識-身体がおぼえている知識/言語化されない知識- |
「われわれは語れる以上のことができる」(M.ポランニー)。このポランニーのことばを手がかりに身体に埋め込まれいる知識について考えたい。 |
10 | 〃 |
共同性と暴力-「お笑い」と「狂気」は紙一重?- |
冗談を言ったはずが「笑えないよ!」と怒りをかう。なぜ怒りをかうのか?—G.ベイトソンのコミュニケーション理論から共同性とその逸脱について考える。 |
11 | 〃 |
親族・家族・民俗生殖理論 |
父子あるいは母子の関係は、文化によって多様である。各文化の民俗生殖理論を通して、親子・家族・親族といった「当たり前」の概念・関係を相対化し、さらには近年の生殖医療についての検討も試みる。 |
12 | 〃 |
死 |
死、他界、そして死者になること考える。 |
13 | 〃 |
生命の比較文化 |
胎児は「人」なのか?キリスト教的世界観と日本における「胎児」に対する認識の相違を検討する。 |
14 | 〃 |
質的研究法としての人類学 |
人類学の調査・研究法について。 |
15 | 〃 |
まとめ |
講義の総まとめ |
到 達 目 標 |
・文化相対主義的視点の理解。 |
成 績 評 価 の 方 法 と 基 準 |
試験方法:レポート 実施時期:試験期間内 リアクションペーパーも評価の対象とする。評価の内訳はレポート試験80%、リアクションペーパーが20%。 |
学 生 へ の メ ッ セ ー ジ (その他注意等) |
知的好奇心が旺盛で学習意欲のある学生の受講を望みます。受講者には、〔授業中の私語厳禁〕と〔授業開始後、30分以降の入室厳禁〕を厳守してもらいます。 |
教科書・参考書 | 書 名 | 著 者 名 | 出 版 社 名 | 定 価(円) |
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なし |
|
円 |
オンライン授業リンク先
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Moodle:文化人類学A(水曜1時限・2時限共通)