授 業 期 間 | 2022年度 後期 | 授 業 対 象 | 指定なし 火4or木1or木2 |
科 目 名 |
歴史と人間B
(日本近世~現代の社会と家族)
(History B)
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科 目 責 任 者 | 畠山 禎 | 単 位 数 | 2単位 |
担 当 者 | 畠山 禎 |
授 業 の 目 的 |
本講義では、今日、われわれの社会が抱えているさまざまな問題を念頭に置きながら、日本社会の変容過程を検証していきます。現在、日本社会は大きな転換点にさしかかっています。急速な少子高齢化、経済の長期停滞、大震災の発生とその影響、ライフスタイルの変化・多様化など、多くの問題を抱えています。それらの問題の歴史的背景を理解するために、この講義では江戸時代から現代までの社会と家族の歴史を学んでいきます。また、歴史学の授業をつうじて、大学での学びの基礎となる学術的な発想方法や表現方法を身につけていきます。 |
教 育 内 容 |
この授業の内容は大きく3つに分かれます。まず、太平洋戦争後の日本社会の歩みを確認したうえで、現在の社会保障問題や人口・家族問題について論じます。つづいて、江戸時代について農村社会のあり方、人口の推移、人の一生、家族・結婚を具体的にみていきます。最後に、明治国家の近代化政策のもとで国家と家族の間に緊密な関係が構築されていった過程や、産業構造の転換にともない、今日のわれわれの社会、家族、ライフスタイルの原型が生成されていった過程を追跡していきます。〈キーワード:江戸時代/明治時代/社会/家族〉 |
教 育 方 法 |
パワーポイントを活用しながら講義形式で進めます。プリントとして概説、新聞記事、図版などを配布します。映像教材も利用します。授業に集中し、あとで見返して話の流れや要点がつかめるようにノートをとって下さい。リフレクション・ペーパーを活用し、科目担当者と受講生が意見を交換できるようにします。小論文やレポートの書き方、論述式試験の答案作成方法について、ポイントをわかりやすく説明します。 |
準 備 学 習 (予習・復習) |
課題図書:なし。講義プリントを配布します。参考書については授業中に適宜紹介します。 予習:参考書に目を通し、概要を把握して下さい。 復習:講義ノートや配布資料の内容を確認し、理解を深めて下さい。授業で学んだことに留意しながら課題に取り組んで下さい。 予習・復習に必要な時間:60時間。 |
回 | 担当者 | 項目 | 授業内容 |
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1 | 畠山 【オンライン】 |
イントロダクション |
授業の日程と進め方/大まかな内容とポイント/評価方法など |
2 | 〃 |
太平洋戦争後の日本社会(その1) |
終戦直後の日本はどのような状況だったのか?/なぜ、日本で高度経済成長が起こったのか? |
3 | 〃 |
太平洋戦争後の日本社会(その2) |
バブル経済がなぜ起こり、なぜ崩壊したのか? |
4 | 〃 |
働き方と家族の変遷 |
高度経済成長時代における働き方や家族形成の特徴/バブル経済崩壊後、働き方や家族形成はどのように変わったのか?/格差問題を解決するためにはどのような対策が必要なのか? |
5 | 〃 |
雇用の流動化と夫婦・親子関係 |
経済の長期停滞と「格差社会」のもとで、中高年の夫婦関係や、中高年の親とその子どもとの関係はどのような問題を抱えているのか? |
6 | 〃 |
小論文、レポートの書き方 |
小論文やレポートを作成する際のポイント |
7 | 〃 |
戦争の時代 |
太平洋戦争期にどのような人口増加策がとられたのか?/戦時中、女性は社会や家庭において、どのような役割を果たさなくてはならなかったのか?/ドキュメンタリー教材の視聴 |
8 | 〃 |
江戸時代の農村 |
江戸時代の農村では、村共同体が村人の生活のためにどのような役割を果たしていたのか?/村の青年男子は若者組を組織して、どのような活動を行っていたのか? |
9 | 〃 |
江戸時代の人口(その1) |
およそ270年間にわたる江戸時代において、人口数はどのように推移したのか?/どのような要因で、人口数が変動したのか? |
10 | 〃 |
江戸時代の人口(その2) |
子どもの出生について(「多産多死」、「間引き」など) |
11 | 〃 |
江戸時代の家族 |
なぜ江戸時代になって広範な社会層が結婚し、家族を形成できるようになったのか?/なぜ人びとは「家」の意識を持つようになったのか?/村人はどのような人生観・死生観を持っていたのか? |
12 | 〃 |
江戸時代の結婚・離婚 |
どのくらいの年齢で結婚したのか?/結婚年齢はどのような要因で決まったのか?/結婚相手とどのように知り合ったのか?/なぜ離婚が多かったのか?/何が原因で離婚したのか?/離婚手続き/「家」と離婚 |
13 | 〃 |
近代国家の形成と家族 |
明治政府による新しい国家の建設において、家族はどのように利用されたのか?/明治時代の民法では夫婦関係や親子関係がどのように規定されたのか?/女性はどのような結婚・家族生活を送ったのか? |
14 | 〃 |
新しい家族の登場 |
商工業の発展や都市の成長にともない、どのような家族が出現したのか?/「サザエさん」の家族 |
15 | 〃 |
まとめ |
講義全体のまとめ/理解度の確認 |
到 達 目 標 |
①現代の社会問題やその解決方法について、具体的に論じることができる。 ②江戸時代~現代の日本史や社会史の流れを大まかに把握できる。 ③自分自身の考えを分かりやすい文章で表現することができる。 |
成 績 評 価 の 方 法 と 基 準 |
試験方法:筆記試験 実施時期:試験期間内 授業中の課題(小テスト)(60%)や定期試験(40%)の成績にもとづいて評価します。欠席回数に応じて減点します。 |
学 生 へ の メ ッ セ ー ジ (その他注意等) |
これまで歴史の勉強は「苦手だ」、「退屈でつまらなかった」と感じている人も、気軽に受講してしてみて下さい。この授業では社会や家族といった身近なテーマを取り上げて、日本の歴史を振り返っていきます。社会の現状に対して問題意識を持ち、積極的な態度で講義に参加して下さい。受講生のみなさんから新鮮な意見が聞けることを楽しみにしています。 オフィスアワーは火曜日のお昼休み~午後2時半、木曜日のお昼休み~ です。 |
教科書・参考書 | 書 名 | 著 者 名 | 出 版 社 名 | 定 価(円) |
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教科書 |
毎回、資料を配布します。 |
円 | ||
参考書 |
近世村人のライフサイクル |
大藤修 | 山川出版社 | 880円 |
参考書 |
歴史のなかの家族と結婚――ジェンダーの視点から |
服藤早苗(監修) | 森話社 | 2,090円 |
オンライン授業リンク先
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Moodle:歴史と人間B