授 業 期 間 | 2022年度 後期 | 授 業 対 象 | 指定なし 木1or木2 |
科 目 名 |
芸術の楽しみB
(舞台芸術論〜戯曲・演劇からオペラへ)
(Fine Arts and Music B)
|
科 目 責 任 者 | 安川 智子 | 単 位 数 | 2単位 |
担 当 者 | 安川 智子 |
授 業 の 目 的 |
演劇、オペラ、バレエ、ミュージカル、あるいは日本の古典芸能から漫才まで。この授業では、現在でも楽しまれている舞台芸術を、広く「舞台の上で展開される芸術」としてとらえ、主に音楽にかかわる舞台芸術を、オペラの型を出発点に学び、新たな世界へと繋げていくことを目的とします。オペラは、声楽(独唱・重唱・合唱)、オーケストラ、台本や舞台美術がひとつになった、総合的な音楽芸術です。また今日身近に楽しむことのできるミュージカルの基盤を作ったのもオペラです。様々な舞台芸術作品を素材として、題材や台本テキスト、作品の背景や歴史、作曲家やパフォーマーについて学び、普遍的なストーリーの魅力と、音楽の役割について考えます。同時に、社会人としてのコミュニケーションに有用な、教養としてのオペラの知識を身につけることが目的です。 |
教 育 内 容 |
それぞれの作品解説と鑑賞のほか、1600年頃にヨーロッパで生まれたオペラが、20世紀初頭に英語圏で発展したミュージカルへとつながるまでのオペラ史を概観し、その他の重要な作曲家や音楽作品も関連して取り上げます。芸術の楽しみAを受講した学生にとっては、前期の復習と連関性を意識することで、より理解が深まります。音楽の構造や作品の楽しみ方、また作品の時代背景や作曲家について解説するとともに、作品の基礎となった演劇や神話、歴史や文学作品についても理解を深めます。 |
教 育 方 法 |
教材はプリント(pdf)を配布し、参考書を活用します。講義、鑑賞を経て、毎回コメントフォーム(MoodleまたはGoogle Form)に考えを書く時間をとります。質問やよいコメントについては、Moodleで回答または紹介します。これらのコメント記述や講師からのフィードバックは、そのまま計3回の小テスト(レポート)作成のための準備・練習となります。小テストは、約5回ごとに課題を設定します。 |
準 備 学 習 (予習・復習) |
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】 予習:取り上げる作品のあらすじについて、事前に確認しておく。オペラの中の名曲について、CDやナクソス・ミュージック・ライブラリー、You Tube等で聴いておくとよい。予習時間として、毎回1時間程度が期待される。 復習:授業内で紹介した舞台芸術作品を積極的に教養図書館のCD、DVDやインターネット等で鑑賞し、紹介した参考文献を少しでも手に取って読んでみる。復習時間として毎回2時間程度が期待される。 その他レポート作成に要する時間も含めて、計60時間の授業時間外学習が期待される。 |
回 | 担当者 | 項目 | 授業内容 |
---|---|---|---|
1 | 安川 【オンライン】 |
授業ガイダンス |
授業内容や進め方についてのガイダンス。現代の舞台芸術について。 |
2 | 〃 |
オペラの基礎知識 |
オペラとは何か。オペラとミュージカルの違い |
3 | 〃 |
モーツァルトのオペラ(1)《フィガロの結婚》《ドン・ジョヴァンニ》《コジ・ファン・トゥッテ》 |
モーツァルトのオペラの全体像と、オペラの基本的な型について。イタリア語のオペラ。 |
4 | 〃 |
モーツァルトのオペラ(2)《魔笛》 |
ドイツ語のオペラ。ジングシュピールとその楽しみ方。 |
5 | 〃 |
モーツァルトのオペラ(3)《魔笛》の続きとまとめ |
復習と第1回小テスト |
6 | 〃 |
19世紀のオペラ(1)ヴェルディ《ラ・トラヴィアータ》(椿姫) |
19世紀オペラの特徴とイタリア・オペラの型について |
7 | 〃 |
19世紀のオペラ(2)ビゼー《カルメン》 |
フランス語のオペラ。パリの劇場とオペラのジャンルについて。 |
8 | 〃 |
19世紀のオペラ(3)ヴァーグナー《タンホイザー》 |
ドイツ語オペラ。ヴァーグナーのオペラ改革。音楽による物語の表現方法について。 |
9 | 〃 |
19世紀のオペラ(4)まとめ |
復習と第2回小テスト |
10 | 〃 |
20世紀の舞台芸術(1)英米の古典ミュージカル |
ミュージカルの起源と特徴。《ウェストサイド・ストーリー》《レ・ミゼラブル》ほか |
11 | 〃 |
20世紀の舞台芸術(2)日本のオペラ、古典芸能 |
日本の民謡や古典芸能を取り入れた新たなオペラや舞台芸術 |
12 | 〃 |
20世紀の舞台芸術(3)バレエ、ダンス |
クラシック・バレエからコンテンポラリー・ダンスまで、踊りを核とした舞台芸術について。 |
13 | 〃 |
20世紀の舞台芸術(4)最先端のミュージカルほか |
最後に提出する小テスト(レポート)のために自分で取り上げる舞台芸術作品を選びましょう。 |
14 | 〃 |
劇と音楽と舞台芸術 |
講義全体のまとめとレポート作成(第3回小テスト) |
15 | 〃 |
レポート提出とフィードバック |
レポートとそれについてのまとめ |
到 達 目 標 |
1)西洋音楽や演劇の基礎知識を習得する。2)各時代を代表する優れたオペラ作品を深く理解する。3)オペラ・ミュージカル作品を鑑賞する素地を作る。 4)現在の音楽・舞台芸術に関心をもち、その進む方向性について考え、評価することができる。 |
成 績 評 価 の 方 法 と 基 準 |
試験方法:その他 実施時期:試験期間外 全3回の小テスト(レポート)90%(各30点×3回)、その他授業内課題、参加度など10% |
学 生 へ の メ ッ セ ー ジ (その他注意等) |
舞台芸術作品には、それぞれの時代の関心事や問題が反映されています。また現代芸術に真に向かい合うためには、古典について知ることが不可欠です。作品鑑賞を楽しみながら、現代を生き抜く知恵を作品から学びましょう。なお、芸術の楽しみA(音楽)と関連しているほか、レポートの作成法については大学基礎演習(安川)を履修することで応用できます。 |
教科書・参考書 | 書 名 | 著 者 名 | 出 版 社 名 | 定 価(円) |
---|---|---|---|---|
参考書 |
西洋演劇論アンソロジー |
山下純照・西洋比較演劇研究会編 | 月曜社 | 3,600円 |
参考書 |
《悪魔のロベール》とパリ・オペラ座―19世紀グランド・オペラ研究 |
澤田肇、佐藤朋之、黒木朋興、安川智子、岡田安樹浩編 | 上智大学出版 | 2,600円 |
参考書 |
モーツァルトのオペラ 全21作品の解説 |
松田聡 | 音楽之友社 | 3,520円 |
参考書 |
オペラ 愛の壊れるとき 名作がしかける涙のレトリック |
長木誠司 | 音楽之友社 | 2,750円 |
参考書 |
新イタリア・オペラ史 |
水谷彰良 | 音楽之友社 | 2,970円 |
オンライン授業リンク先
-
Moodle:オンライン授業の入口です。必ず登録してください。