授 業 期 間 | 2022年度 後期 | 授 業 対 象 | 指定なし 火1or金1 |
科 目 名 |
哲学の楽しみB
(哲学しましょう)
(Philosophy B )
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科 目 責 任 者 | 大石 敏広 | 単 位 数 | 2単位 |
担 当 者 | 大石 敏広 |
授 業 の 目 的 |
哲学の一番の特徴は、とことんまで考え抜くという点にあると言えます。従って、哲学は、私たちが普段の生活において問題とすることのないことを考察の対象とすることになります。例えば、私たちはこの社会において他者と共に生きています。ここには特に何も問題はないように思われます。しかし、哲学は、「そもそも他者とは何なのか」、「他者は存在するのか」と問います。本講義では、哲学において問題となるテーマについて一緒に考察することを通して、とことん考え抜くという思考を体験してもらいます。それと同時に、哲学の意味について考えていきたいと思います。 |
教 育 内 容 |
まず、哲学の重要なテーマを毎回一つずつ取り上げ、それについて解説します。解説をしながら、理解度を確かめるために、立ち止まって考えをめぐらしてもらいます。次に、その問題について課題を与えますので、それについて各自考察してもらいます。最後に、討論の場を設けて、自己表現に挑戦してもらいます。 |
教 育 方 法 |
講義では、教科書は使用せず、必要に応じてプリントを配布します。主にパワーポイントを用い、AV機器を利用します。講義においてワークを行い、できるだけディスカッションなどの機会を設ける予定です。一方向的な講義ではなく、双方向的な講義となります。 |
準 備 学 習 (予習・復習) |
【講義時間外に必要な学習の時間:60時間】 予習:下記に挙げた参考書や、講義に関連のある哲学の本を読んでおく。 復習:ノートやプリントを参考に、その日のテーマについて再度自分で思考をめぐらし、自分の考えをまとめておく。 |
回 | 担当者 | 項目 | 授業内容 |
---|---|---|---|
1 | 大石 【対面】 |
ガイダンス |
講義の目標、講義の内容、講義の進め方、評価方法などについて説明します。哲学についての導入的な話をします。 |
2 | 〃 |
外界を知るということについて |
外界は存在するのでしょうか。私たちの周りの世界について、何をどのようにして知ることができるのかについて考えます。 |
3 | 〃 |
他者の心について |
他人は本当は、ロボットではないのか。他者の心・意識とは何か、他者の心・意識は存在するのかについて考えます。 |
4 | 〃 |
心身問題について |
私たちの心・精神と身体は別々のものなのか、一体のものなのか、私たちの心・精神と身体はどのような関係にあるのかについて考えます。 |
5 | 〃 |
私について |
「私」と呼べる存在者は、世界に一人しかいないのでは? 私とは誰なのか、私とは何なのかについて考えます。 |
6 | 〃 |
言葉の意味について |
言葉には本当は意味は存在しないのでは? 私たちが普段使っている言葉の意味とは何か、私たちはどのように言葉を使っているのかについて考えます。 |
7 | 〃 |
過去について |
過去が存在したという証拠はあるのでしょうか。過去とは何か、過去は存在するのかについて考えます。 |
8 | 〃 |
自由意志について |
あなたは本当に、意志の自由を持っていますか。自由意志は存在するのか、自由意志に従って行為するとはどういうことかについて考えます。 |
9 | 〃 |
善悪について |
「ならぬものは、ならぬ」? 善悪の客観的な基準は存在するのか、道徳的判断は道徳的行為を引き起こす動機となるのかについて考えます。 |
10 | 〃 |
正義について |
法は正義? 正義とは何か、ただ一つの正義が存在するのか、正しい不平等はあるのかについて考えます。 |
11 | 〃 |
人生の意味について |
人間はなぜ生きるのでしょうか。人生の意味・目的とは何か、私たちの人生そのものに意味はあるのかについて考えます。 |
12 | 〃 |
哲学特殊講義Ⅰ |
「私たちは本当は、培養槽の中に浮かんでいる脳で、この世界はその脳が見ている幻想ではないか」という懐疑論的仮説に対してどのような反論が可能でしょうか。「私たちは、培養槽の中の脳ではない」といかに主張できるかについて考えます。 |
13 | 〃 |
哲学特殊講義Ⅱ |
「私は、目の前にいるシマウマが、シマウマに見えるように巧妙に偽装されたラバではないことを知っている」とどうして言えるのでしょうか。そう言える根拠について考え、その根拠の妥当性を吟味します。 |
14 | 〃 |
これが、哲学だ |
これまでの講義を基に、哲学とは私たちにとって何なのか、どんな意味を持っているのかについて考えます。 |
15 | 〃 |
まとめ |
これまでの講義の総括をします。 |
到 達 目 標 |
哲学の徹底的な思考法を体験することができる。
多元的な思考ができる。 |
成 績 評 価 の 方 法 と 基 準 |
試験方法:レポート 実施時期: 講義におけるワーク(50%)、期末レポート(50%)、討論参加状況(+α)によって評価します。なお、欠席は減点となります。 |
学 生 へ の メ ッ セ ー ジ (その他注意等) |
積極的に講義に参加することを希望します。子供じみた意見だと躊躇しないでください。「子供はみな哲学者である」 なお、疑問点などがある場合はそのままにぜず、積極的に質問をしてください。 |
教科書・参考書 | 書 名 | 著 者 名 | 出 版 社 名 | 定 価(円) |
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参考書 |
流れとよどみ |
大森荘蔵 | 産業図書 | 1,944円 |
参考書 |
翔太と猫のインサイトの夏休み――哲学的諸問題へのいざない―― |
永井均 | 筑摩書房 | 880円 |
参考書 |
規則のパラドックスーー言語は無意味かーー |
大石敏広 | 晃洋書房 | 2,268円 |